誰もが仕事を「つらい」と思うことがありますよね。私などはサラリーマン歴35年以上ですが、思い返せば「仕事が楽しい!」と感じたことはあまりありません。
一日の3分の一以上の時間を職場で過ごすのに、仕事がつらいのではたまりません。ではどうすれば「仕事が楽しく」、「仕事に幸せを感じられる」ようになるのでしょうか?
その一つのヒントが、「金・地位・名誉でなぜ人は満たされない? 仕事を通じて幸せを得る方法」という記事にありました。詳細はDODAの「未来を変えるプロジェクト」に掲載されている以下の記事です。
https://mirai.doda.jp/series/interview/takashi-maeno/
これを読んで学んだことは次の3つ。
- 幸せには「短期的な幸せ」と「長期的な幸せ」がある
- 長期的な幸せを感じられる人の持つ4つの因子
- 脳をだまして幸せを感じ「本当に幸せ」になる
それでは、上記3つもう少し詳しく要約してご紹介します。
「短期的な幸せ」と「長期的な幸せ」
幸せの研究によると、幸せには「短期的な幸せ」と「長期的な幸せ」があるとのことなのですが、特に「仕事で感じる幸せ」も同様で、それには「幸せを感じるメカニズム」があります。
まず「短期的な幸せ」ですが、仕事によって得られる金・地位・名誉などは、短期的な幸せのに入ります。そしてこの「短期的な幸せ」は、もともと長続きしないように、人間の心はできているようです。これは、人間の「欲」に直結するもので、一旦これらの「金・地位・名誉」が得られたとしても、「次はもっと」、「他者より多く」と次から次へと欲しくなり、際限がありません。
一方「長駆的な幸せ」は、職場や仕事における人とのつながりや地域社会でのコミュニティ等の共同体を通して得られる幸せで、利他的に求めるものです。これは安定的に幸せを感じられるもで、自己保存ではない「人間の本能」に基づいて、安定的です。
人間は、「利他」、「コミュニティ」、「つながり」といった「全体生と関係」の中で「安定、安全」を感じ、そこから長期的な幸せを感じることができるんですね。
上図は「地位財」と「非地位財」を表していますが、「地位財」により短期的な幸せを感じ、「非地位財」により長期的な幸せを感じることが切るのです。ただし、「非地位財」だけが推奨されるわけではなく、両者のバランスをとることが大切です。
長期的な幸せを感じられる人の持つ4つの因子
それでは、仕事で幸せを感じている人にはどんな特徴があるのでしょうか?
働く上で幸せを感じるのは、自分がやりたくて仕方がない仕事をしている状態と言われます。「これは自分の天命だ」と思えるようなクリエイティブで情熱を傾けられるような仕事、「あっという間に時間がすぎてしまった」というような感覚で取り組める仕事でしょうか。
そして、新しい人と出会い、その出会いを通じてまたやりたくて仕方がない仕事を見つけたり創り出せるといった連鎖により、「長期的な幸せを感じられるような仕事」をすることができるのです。ではどうしたらそのような仕事に出会え、または今の仕事を「幸せを感じられるような仕事」にすることができるのでしょうか。
仕事で長期的な仕事を感じる人は、4つの因子を持つと言われています。それは
- 「やってみよう!」(自己実現と成長)因子:自らの強みを活かし、社会的要請に応えて成長しながら自己実現を果たしている
- 「ありがとう!」(つながりと感謝)因子:人とのつながりを尊重し、感謝や親切心、愛情を持って人の役に立ちたいと思っている
- 「なんとかなる!」(前向きと楽観)因子:楽観的で失敗してもくよくよせず、自分を認めながら積極的に周囲と関わっている
- 「あなたらしく!」(独立とマイペース)因子:自分と周りを比較せず、自らの信念を貫いている
です。人とのつながりなど非地位財に関連する幸せを感じやすい人はこれら4つの因子いずれも高いポイントを示すのに対して、幸せを感じにくい人はいずれも低く、ネガティブ感情が高いようです。
脳をだまして幸せを感じ「本当に幸せ」になる
誰もが生まれつきこの4つの因子を持っているわけではなく、且つ日本人はネガティブ感情派が多いような気がします。では、どうやったらこの4つの因子を育み、幸せを感じるようになれるのでしょうか?
それには、「脳をだます」のだそうです。
自分が物事に対してどう振る舞っているのかを冷静に見る。すなわち、「悔やんだり悩んでいる自分を見る自分」を意識し、その時には「楽観的に考えよう」、「前向きにやってみよう」と考えたりできるように、心の癖を改善すのだそうです。
このように「自分を客観視する」ということは難しそうに思えるのですが、実はちょっとした簡単な行動で「脳をだます」ことができるのです。様々な心理学の実験で明らかになっているのですが、体の使い方や表情・行動で脳は自分の感情や意識を作り出してしまうので。
例えば、「ちょっと上を向いて大股で歩くと明るい気持ちになる」。そう、うつむいて歩くのではなく、上を向いて歩くと悲しい気持ちにはなれないのです。脳は、この行動(筋肉の状態や運動)により「明るく前向きな状態なんだ」という気持ちを作り出してしまうのです。
その他にも、「大声で笑う」、「鏡の前で口角を上げてみる」など、様々な実験結果がありますが、「行動が感情を生み出す」とうことは、まんざら嘘ではなさそうです。このような「幸せ発生行動」により脳をだまし、4つの因子を育てることで、仕事を楽しみ幸せを感じられる土壌が醸成されてゆくのです。
まとめ
「仕事を楽しみ、仕事で幸せになる」なんて到底不可能なことだと思っていましたが、反面「人生の半分くらいの時間を費やす仕事を、もっと楽しみ、幸せを感じるにはどうしたらいいのか」という疑問ももっていました。
この記事で得られた「仕事で幸せを得る秘訣」のポイントは次の通りです。
- 短期的な幸せ(地位財)と長期的な幸せ(非地位財)をバランス良く獲得する
- 長期的な幸せには、4つの因子(「やってみよう!因子」、「ありがとう!因子」、「なんとかなる!因子」、「あなたらしく!因子」)が必要
- 行動によって「脳をだまし」、幸せを感じられるよな癖をつける
まずは日々の行動で脳をだましてみてはいかがでしょうか?