好景気で人手不足。そんな時代だからこそ、より良い環境や報酬を求めて転職活動も活発になっていますが、安易な転職は失敗を招いてしまいます。
NIKKEI STYLE(https://style.nikkei.com)に「転職の悲劇を生む 「人が辞める会社」8つの共通点」という興味深い記事が掲載されていましたので、その内容をご紹介します。
転職が悲劇を生まないようにする為には、次のポイントに注意すると良いのです。
- 離職率の高い会社には共通点がある為、転職前に見極める必要がある
- 人に期待し、尊重する会社かどうかを見極わめる
- 転職先の企業の価値観・ビジョンと自分の価値観・目標の相性を調べる
離職率の高い会社の共通点
ミドル以上の転職活動では、「自分のスキルを活かして長く活躍したい。今よりも高い報酬を得たい」といった希望を持つかと思います。まして現代のような「売り手市場」であれば転職者は企業をよりどりみどりに思えるかもしれませんが、転職候補の起業についてより多くの情報を収集することが大切です。
というのは、面接の際には見えにくい企業の内情により、せっかく転職しても直ぐに離職せざるを得ない状況になることも少なからずあるためです。従って、離職率が高い企業の次のような傾向について、自分なりに情報収集したり面接時に質問することが大切です。
- 慢性的な労務課題:ノルマや目標管理など短期利益を重視する考え方が主流で、業務量が多く結果的に労働時間が長い(平均残業時間や目標管理の確認)
- ハラスメントの常態化:パワハラ」「セクハラ」「モラハラ」などのハラスメントが横行し、誰も何も言わない(うつ病などの社員の存在の確認)
- 人材育成面での課題:人材育成にための制度や組織体制の整備、投資がされていない(研修制度などの確認)
- 事業戦略が不明瞭:事業戦略が不明確だったり、抽象的だったりすると共に、戦略そのものが共有されていない(事業戦略の内容とその共有方法、進捗状況を確認)
- コミュニケーション不全、相互不信:組織秩序が機能せず、社内コミュニケーションがとれない企業は離職が多い(コミュニケーション活性化のインフラや施策などを確認)
- 給与・待遇の不整備:同業他社と比較して給与が低すぎる(賃金制度や賞与評価基準等について確認)
- 人事評価システムの機能不全:10年以上も人事制度の骨格が変化していない会社は、評価制度の機能不全に陥っている疑いがある(職務や職種と資格といった制度を確認)
- ミッションが不明確、または拡散している:仕事内容や責任の範囲が不明瞭だったり、当初と話が違ったりすると、人はやる気を失ってしまう(自分のミッションを確認)
人を尊重する会社とは
それでは、社員が長く定着し生き生きと活躍する会社の姿とは、どのようなものなのでしょうか。そのような企業な、まさしく「人を尊重し大切にする」会社なのです。
この記事では、人を大切にする企業の傾向について、次のように記載されています。
(1)従業員一人一人が尊重され、その人の強みに期待されている
(2)スキルアップや成長を実感できるシステムがある
(3)入社前に想定していた魅力と現実のギャップが少ない
(4)職場の人間関係が安定していてストレスが少ない
(5)努力や結果がしっかり評価され、課題も率直に指摘される
上記の傾向から見えるのは、「人を大切にする企業」は、社員に対して「安心感、安全性、信頼感」を与え、やりがいを高めるような取り組みを進めていると言えます。入社前面接の段階で、できるだけ上記のような傾向を評価してみと良いのではないでしょうか。
転職先企業の価値観と自分の価値観
仕事に対する自分自身の「価値観」について、私たちはあまり意識することがないかも知れません。しかし、待遇面だけを重視して転職すると、いざ転職してから仕事や組織に馴染めず、結果的に再転職したり病に陥ってしまったりするケースもあります。
「仕事に対する価値観」というと何やら難しいことのように感じるかもしれませんが、次のようなシーンを思い起こしてみると良いのではないでしょうか。
- 社内人脈を積極的に構築してゆくタイプかどうか
- 顧客要請と社内政治の板挟みになった時にどんな行動をとるか
- 自我に基づいて議論するのか、それとも社内融和を優先するか
- 会社での活躍重視かプライベート&自己成長重視か
- ・・・・・
などなど、普段意識していなくとも自然に行動や仕事のスタイルとなっていることがあります。自分が大切にしている価値観の有無を明確にし、もし重視する価値観があるのであれば、「転職先の企業の考え方や働き化のスタイルとマッチしそうかどうか」ということについて、じっくり検討してみることも大切なのではないかと思います。