職活動の際には、履歴書や職務経歴書を作成すると思います。そこには、学歴や職務経歴、志望の動機や保有しているスキルなどを書くことになりますが、「スキル」と聞いて、あなたはどのようなスキルを思い浮かぶでしょうか?
「スキル」というと、一般的には専門技術・知識や経理、人事、マーケティング等が思い浮かびますが、実は最も重要なのが「仕事の仕方」、「人との関わり方」、「状況への適応能力」といったものなのです。
スキルの分類
ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても持ち運びできるスキルですが、だいたい次のように分類することができます。
- 資格や免許:専門の試験や一定期間の経験年数に基づいて与えられる資格
- 専門知識や技術・技能:研究開発業務の経験により蓄えられた能力、知識
- 専門知識以外の仕事のスキル:仕事の仕方、人との関わり方、環境への適応可能性など
資格や免除、専門知識や技術などは、履歴書・経歴書や実際の仕事のアウトプットにより、目に見えるものなのですが、一方、「仕事の仕方、人との関わり方、環境への適応可能性」といった専門知識以外のスキルは、目に見えにくく評価もしにくいスキルです。
しかし、多くの経営層が抱える経営課題「組織活性化、新規事業、事業再編、業務改善等」への対応には、「仕事の仕方、人との関わり方、環境への適応可能性」といったスキルが必要であることが明らかになり始めており、かつ、経験豊かな新しい血である「ミドルの転職者」が大きな効果を生み出すことがわかってきているのです。
技術的なスキル
まず技術的なスキルですが、これはわかりやすいスキルですよね。研究開発職の方であれば、その研究分野の専門知識や技術になります。例えば、医療や薬学、物理、化学など様々な技術分野があります。また、金属加工や電気回路組み立て、エンジン組み立てなどの専門技能なども考えられます。
また、弁護士や税理士といった国家資格や運転免許などの「資格」もあります。これらのスキルは例え職種、業種が変わっても持ち運ぶことができるスキルであり、転職先の企業が抱えている技術的な課題に対して、即効性のある対応ができるスキルであるとともに、履歴書や面接等においても評価しやすい(わかりやす)スキルだと言えます。
技術・技能以外のスキル
では「仕事の仕方、人との関わり方、環境への適応可能性」とはどのようなものなのでしょうか。このようなスキルについて、あるミドルを採用した企業の経営者は次のように言っています。
多くの企業はミドル層の採用に漠然とした不安を抱いている。そして人材採用を行うが、採用時には職種・業界の専門知識や経験を重視し採用する。しかし、入社後の姿をみて、「仕事の仕方、人との関わり方、環境への適応可能性」という面をもっと評価しておけばよかったという声が聞かれる。
それは、「業種・職種の専門性が入社後の活躍にそれほど大きく影響するわけではない」ということが明らかになるからである
経営者が抱える「組織活性化、新規事業、事業再編、業務改善等」といった経営課題に対応するためには、専門技術・技能といった「技術的なスキル」ではなく、総合的な「仕事力、人間力、適応力」が必要となります。
しかし、上記の採用経験者が「もっと評価しておけばよかった」と言っているように、これれらのスキルは、目に見えにくく表現しにくいため、「評価しにくい」スキルデアもあります。しかし、経営者の抱える「経営課題」に対応するには、この総合的な「仕事力、人間力、適応力」の元となるスキル「仕事の仕方、人との関わり方、環境への適応可能性」を評価し、活用することが必要なのです。
- 仕事の仕方の観点:現状の把握、課題の設定、計画の立案、課題の遂行、状況への対応
- 人との関わり方の観点:社外対応、、社内対応、部下マネジメント
- 環境への適応可能性の観点:適応の仕方、職場の特徴の認識
現実世界のすがた
私の勤務する職場へも多くの転職者が入社してきます。その人達の活躍ぶりは、これまで述べてきた「スキル」の種類によって大きく異なることを実感しています。そして、「仕事の仕方、人との関わり方、環境への適応可能性」のスキルが高い人ほど職場に早くなじみ、社員に可愛がられ、多くの仕事をこなすといったように活躍しています。
そして結果的に転職してきた方も、楽しく幸せに働けているのではないか思うのです。
あなたがお持ちのスキルとはどのようなものでしょうか?一度棚卸ししてみるといいかも知れませんね。