新聞報道よると、柴咲コウが起業して社長になったとのこと。NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」に出演中で、女優であり歌手でもある柴咲コウ。
「なぜ会社を作ったのか?」、「どんな会社を作ったんだろう?」、「そもそも柴咲コウの女優や歌手としての活躍は?」などの疑問が湧いてきますよね。
そこで「なぜ、どんなど会社を作ったのか?」について調べてみると、
- 会社名は「レトロワグラース」で2016年11月18日に設立(資本金8,450万円)
- 事業概要は「メディア事業」、「音楽事業」、「EC事業」の3本柱
- ベンチャーキャピタルから総額 1.62 億円の資金を調達
といった、まるでITベンチャーか何かのような装いです。しかしそこから浮かび上がってくるのは柴咲コウの歌手や女優としての素敵さだけでなく、ビジネスマンとしてのセンスや未来へ挑戦する姿なのです。
Contents
社長 柴咲コウのプロフィール
- 生年月日:1981年8月5日 獅子座(36歳)
- 出身地:東京都
- 血液型:B型
- 職業:1998年 女優としてのキャリアをスタート。
日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞、キネマ旬報ベストテン 最優秀助演女優賞ほか、数々の映画賞を受賞 - 職業:2002年 歌手デビュー。
シングル「月のしずく」(RUI)は100万枚を越えるヒットに。 - 2017年 NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」主演。歌手デビュー15周年を迎える。
- 好きなこと:料理、断捨離、猫とじゃれること
上記プロフィールは、柴咲コウオフィシャルサイ「https://koshibasaki.koclass.jp」より参照させて頂きましたが、女優としても歌手としても輝かしい実績を持っています。また、趣味が「料理」というのも魅力的です。
「レトロワグラース」社のプロフィール
柴咲コウが社長を務める会社のプロフィールは次の通りです。
- 代表取締役:柴咲 コウ
- 取締役:藪 考樹
- 資本金:8,450万円
- 本社:東京都港区
- 設立:2016年11月18日
- 社名:レトロワグラース株式会社 (Les Trois Graces Inc.)
- 事業概要:メディア事業、音楽事業、EC事業
このプロフィールを見るだけでも興味津々、いろいろなことが知りたくなりますよね。それでは一つづつ紐解いていきましょう。
取締役の「薮 考樹」とは?
ウィキペディアでは「日本の実業家」と紹介されていますが、現在はモブキャストという会社の社長を勤めているようです。略歴は以下の通りですが、会社を二度も上々させるという点では根っからの実業家なんでしょうね。(以下ウィキペディアより参照)
- 1995年 株式会社ベルパーク入社
- 2000年 同社の常務取締役営業本部長に就任。事業を急拡大させJASDAQへ上場を果たす
- 2003年 ジェイフォンサービス株式会社(現・株式会社ジャパンプロスタッフ)代表取締役社長に就任
- 2004年 株式会社モブキャストを創業し、代表取締役社長CEOに就任
- 2012年 株式会社モブキャストを東証マザーズに上場させ、自身2度目の上場を実現
モブキャストという会社、設立当初はモバイル向けの映像制作・配信事業とゲーム開発・配信事業の二つの軸で事業展開を行っていたようですが、その後映像事業から撤退し、ゲーム事業に特化したようです。そして、ソーシャルゲーム市場の急拡大に合わせて事業規模を拡大していったようです。
ソーシャルゲーム市場というと、モバゲーやGREEなどのプラットフォーム型ビジネスが思い浮かびますが、モブキャストはこれらのプラットフォームに乗っかるのではなく、独自プラットフォームを立ち上げました。 モバゲーやGREEなどと真っ向から戦うのではなく、次スポーツに特化したゲームプラットフォーム戦略をとり、やがてモバイルスポーツメディアへと戦略を転換していったようです。
オンラインゲームプラットフォーム市場は1兆361億円で、国内ゲーム市場全体の約75%を占めていますので、競合は多いもののヒットすれば見返りも大きいい市場と言えます。
薮考樹の資産は50億円とも言われてますが、マザーズへ上場しているモブキャストの株資産が大きいのかもしれませんね。
モブキャストの概要は次の通りですが、資本金が多いのに驚きます。
- 資本金:1,749,367千円(2017年3月末現在)
- 売上高:676百万円(2017年3月期)
- 従業員数:127名(2017年4月末時点)
- 主要株主:藪考樹 26.31%(2016年12月末時点)
- 発行済株式数:16,100,008株
- 時価総額:13,009百万円
売上高が676百万円の割には資本金が17.5億、時価総額が130億ですから市場からの評価が高く、将来性にも期待が寄せられているようです。ちなみに藪考樹の自社株の資産は130億の26.3%ですから、およそ35億です。
ただし、モブキャストの2017年度Q2の経常損益は5億円の赤字の模様ですので、競争の多いモバイルゲーム市場でのビジネスは正念場を迎えているのかも知れません。このような状況も考えながら、柴咲コウとの新会社「レトロワグラース」での巻き返しを考えているのかも知れませんね。
いずれにしろベンチャービジネスで経験豊富な藪考樹ですから、柴咲コウにとっても心強いビジネスパートナーと言えるのではないでしょうか。
ところで藪 考樹と柴咲コウの関係については、女性自身や文春などで噂話が流れているようですが、そもそも藪 考樹は既婚者。週刊誌にとっては実業家と女優・歌手の不倫はとっても売れるネタなのでしょうかが、そのような事実はないようです。藪 考樹は7年前から柴咲コウがビジネスの相談をする相手だとか。。。。
資本金8450万円は誰が出した?
2016年11月に設立された「レトロワグラース株式会社」ですが、資本金は8450万円。この資本金はやはり柴咲コウ自身が拠出したんでしょうかね。人気の女優で且つ多くのヒット曲を持つ柴咲コウですから、この資本金を拠出するのは大したことではないかも知れませんが、お金の使い方が素晴らしいですね。
出資したベンチャーキャピタルとは?
レトロワグラースのプレスリリース(https://www.l3g.jp/release/20171005.pdf)によると、ベンチャーキャピタルのBDashVentures株式会社及びアライドアーキ テクツ株式会社(証券コード: 6081)より、総額 1.62 億円の資金を調達したとのことです。
このベンチャーキャピタルは独立系ベンチャーキャピタルとのことですが、レトロワグラースのどこに期待して出資しているのでしょうか?
まずBDashVentures社ですが、この会社は純粋なベンチャーキャピタルで、「次世代を担う有力インターネット企業の輩出」を目的に、国内外の有望なスタートアップや有力ベンチャー企業への投資を行っているようです。投資対象のステージはシード・アーリーからレイターまで幅広く投資しているようですね。
また、ベンチャーキャピタルとして運営する「ファンド」はいずれも、日本を代表する通信キャリア、インターネット企業、金融機関、機関投資家などからの出資で構成されているようです。まあ、一般的なベンチャーキャピタルのビジネスモデルですね。
ちなみにベンチャーキャピタルのビジネスモデルを知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。
https://thefirstpenguin.jp/知られざるvcのビジネスモデルの全貌-2919b386458e
一方のアライドアーキ テクツ株式会社ですが、こちらはFacebook、Twitter、InstagramをはじめとするSNSのビジネス活用を総合的にご支援するIT企業のようですね。レトロワグラースがネットビジネスを展開する上で、非常に強力なパートナーになる企業のようです。
以上の通りレトロワグラースは、「資金面」・「事業面」の両面での支援を受けながら船出した、将来がとても楽しみな会社だと言えそうです。
「レトロワグラース」社の事業
レトロワグラース社の展開する事業の柱は、「メディア事業」、「音楽事業」、「EC事業」の3事業のようですが、事業内容としては次のようなものかと思われます。
- メデイア事業:既存のソーシャルディアやWEB上に新たな「場(コミュニティ)」を創り、そこでビジネスを展開(ファンとの交流の場)
- 音楽事業:柴咲コウの本業とも言える「音楽」。ネット上での音楽配信や曲作りなども
- EC事業:音楽や健康グッズ、健康食品など拘りの限定商品を販売
そして、これらの事業展開の根本となるコンセプトについては、レトロワグラースのウェブサイトに次のように掲載されています。
ローマ神話では「愛」「慎み」「美」を司り、
ギリシア神話では「魅力」「美貌」「創造力」を司るといわれる三美神。生活の基本にある「衣」「食」「住」。
心も身体も美しく暮らすための
キーナンバー「3」に思いを込めて。今、そして未来の幸せを増やすために何ができるか。
音楽活動にとどまらず、ライフスタイルに目を向けて、
歌い、考え、発信していくための場をつくっていきます。
生活の基本にある「衣」「食」「住」の3つを、「メディア事業」、「音楽事業」、「EC事業」という3事業を通して世の中に提供していこうという想いのようですね。素晴らしいと思います。
そして、消費者に提供してゆく具体的な商品は、「音楽」、「食材」、「美容」、「健康」、「猫」、「旅行」の6つだとしています。ウェブサイトにはさらっと「猫:CATS」って書かれているのですが、一体これは?。
柴咲コウのネコ好きは有名ですが、どんなビジネスが生まれるのか楽しみです。
柴咲コウの活躍ぶり
歌手として女優として
柴咲コウの歌というと、真っ先に思い浮かぶのは大ヒット曲「月のしづく」ですが、この曲は映画「黄泉がえり」の主題歌でした。2003年1月18日に公開された草彅剛主演の映画で、竹内結子も出演しました。巨大隕石の影響で、熊本県阿蘇地方(原作とは異なる)で死んだ人が蘇るという超常現象を描いたものです。
この映画のテーマソングが柴咲コウの歌「月のしずく」ですが、これが何とミリオンセラーとなりました。サビの部分は頭に着くメロディーで、歌詞もまた映画にマッチした内容になっています。「故人に会いたいという想い」を描いた内容で、しんみりとしたとてもいい歌です。
柴咲コウの歌は、映画やドラマのテーマソングとしてヒットしたものが多く、オリコンのランキングでは次のようになっています。
- 1位:月のしづく、映画「黄泉がえり」
- 2位:かたちあるもの、ドラマ「世界の中心で愛をさけぶ」
- 3位:影、ドラマ「白夜行」
- 4位:Glitter、ドラマ「恋するハニカミ」
いかがでしょうか、あなたも一度は聴いた曲があるのではないでしょうか。
社長 柴咲コウの戦略とは
では柴咲コウはどんな会社を作ったのでしょうか。新会社はレトロワグラーストいう会社で、その株式は柴咲コウ自身が過半数を保有する一方、上場企業やベンチャーキャピタルも出資しているようです。ベンチャーキャピタルが出資ということですので、事業性や将来性が評価されてのことかと思いますが、芸能人の起業としては珍しいですよね。
それではなぜ柴咲コウ起業して、CEOになったのでしょうか?。目標は何なのか?
起業の理由と目標
調べてみるとレトロワグラースの設立は2016年11月との事。1年前に設立されていたんですね。まずはモブキャストというゲーム会社のグループ会社が出資していたようですが、その後独立系ベンチャーキャピタルのBダッシュベンチャーズなどから約1億6000万円もの資金を調達して事業を進めることになったようです。
では、なぜベンチャーキャピタルなどから資金を調達してまで会社を設立したのでしょうか。柴咲コウは、日経新聞でのインタビューで次のように話しています。
(2017/10/7 日経新聞記事より参照)
「自分の中にいろいろとやりたいことがあったが、20代のときはがむしゃらに仕事をしていてそこに使える時間がなかった。30代になって時間に、また精神的にもようやく余裕が生まれ、やりたいことを形にするためにまず会社を立ち上げた」
そして、それからやりたいこととニーズ、供給と需要をどうマッチングさせるかアドバイスをもらい、今に至っている」
「(世間に)バイアスというか先入観のようなものがあり、日本はそれが特に強いと思う。歌手活動を始めたときも『女優だけやっていればいいのに』という声があったが、なぜ制限を受けなければならないのかという気持ちがあった。ひとつのものを職人的に追求する人がいる一方で、色々なことを多岐にわたってやる性分という人もいる。だが(後者と世間の間の)垣根が低くなってきた」
柴咲コウは女優・歌手でありながら、多くのビジネスマンとのアライアンスにより起業しました。柴咲コウ自身が得意な「音楽」を起点に、そこから「EC事業」、「メディア事業」へと繋げている点は、まさに有望な起業家そのものです。
「音楽」を起点に「EC事業」・「メディア事業」へ
歌手・女優をやりながらEC事業、メデイア事業と会社経営。とてもハードな仕事に思えますが、果たして柴咲コウは対応できるのでしょうか?そんな心配が湧いてきそうですが、どうやら色々と戦略があるようです。
というのも、女優業に関してはこれまで通りスターダストプロモーションに任せ、音楽活動やその他の新しい事業はレトロワグラースで行うというもの。スターダストとの関係も良好で、今後も協力しながら事業展開していけるということなのです。
新会社の「音楽事業」は音楽出版社やレコード会社から引き継ぐ仕事だが、ネット市場の台頭によりCDの販売は減少し、ユーチューバーなどによりプロとアマチュアの境界も曖昧になってきた。音楽ビジネスの環境は激変していることを柴咲コウは認識しているのです。
だからこそ柴咲コウは、この大きな変化をチャンスと捉え、自分自身でビジネスを展開するというチャレンジに打って出たのかもしれません。このよな考え方は、柴咲コウのよな芸能人でなくとも、あなたや私のような普通のビジネスマンにもできること。是非ともチャレンジしてみたいですよね。
仕事の掛け合わせで新しいビジネスが生まれる
柴咲コウは本格的に「社長業」を始めたようで、人材の採用も計画しているそうだ。しかし、知名度があるからといって成功するほど甘くないのが企業の世界。そもそもスタートアップが成功する確率は0.3%。こんな厳しい世界で不安がないのだろうか?
苦悩する柴咲コウの表情など思い浮かべたくないが、その点について柴咲コウは日顕新聞のインタビューで次のように語っています。
(以下、https://www.nikkei.comより参照)
「色々なことを始動させるのに開発費が必要で、(増資で得た)資金はありがたい。もちろん私は経営というものの初心者なので、現実的には日々、少しずつ自分がやらなければいけないゴールをクリアしているところだ。ただ、雇用をみても信頼は大切であり、(株主と進めた上場を目指すという話に)賛同した」
「米国では(芸能人が起業・投資するなど)能力や関心、興味があれば(事業を)進めていけるのがすてきだなとみていた。日本も新しいことをする人を応援する世の中になっていけばいいと思う。(1人が手掛ける)仕事も1つのところにとどまるのではなく複数を掛け合わせることで切磋琢磨(せっさたくま)され、新たな展望が開けると思っている」
何とも頼もしいかぎりであります。CEO 柴咲コウ!