好景気で人で不足。中高年の転職も絶好調のように言われていますが、その真相はどのようなものでしょうか。今日はネットで見つけた気になる記事をご紹介したいと思います。
それは、「中高年」転職、45歳を境に明暗くっきり。100社以上応募して、1社からも面接に呼ばれないケースも」というタイトルで、日経ビジネス:http://business.nikkeibp.co.jp/に掲載されていたものです。
この記事のポイントは次の通りで、50代の転職の厳しさを物語っています。
- 正社員の有効求人倍率は1を超えており、40代前半であれば内定は取りやすい
- 40代後半~50代の転職に関しては、求人数も絞られ、状況は厳しい
- 40代前半はギリギリ賃金アップ、しかし50代では賃金ダウン
- 40代前半の転職活動期間は3ヶ月程度だがが50代になると6ヶ月程度と長引く
40代前半〜50代の求人内容(45歳が明暗ライン)
転職エージェントによると、20代、30代の転職では求人数が多く、応募したらすぐに決まるとのこと。これに比べて、40代以上の転職活動は求人数も減少し転職活動期間も長期化する傾向にある。しかし、40代前半(45才が境目)までなら求人は一定数あり、やり方さえ間違わなければ内定は取れるのだそうです。
では、40代前半で「内定が取れるやり方」とはどのようなものなのでしょうか。
一般に40代前半のキャリア採用では、心身ともに元気で、どんどん自分で動いて会社の売上に貢献したり、メンバーを引っ張っていくというパワフルなプレイングマネージャです。
従って、履歴書や面接ではこれまでの実績やパワフルさを十分にアピールすることが重要になります。
一方、40代後半から50代になると求人数も一段と少なくなり、狭き門となります。その狭き門で求められるのは、「バリバリとやるパワフルな姿」ではなく、「ベテランとしての知識と経験」です。総務、財務、企画、営業管理といったバックオフィス業務で、事業を拡大する際の知恵袋であったり、経営者や役員の参謀(相談者)といった役割が期待されるようです。
以下の図は年代毎の転職環境の様子を表したものですが、うまく表現されていますよね。
中高年転職での収入
次に転職後の収入ですが、おおむね次のようなアンケート結果が出ています。
- 20才〜44才:40%が賃金アップ、30%が賃金ダウン、30%が変化なし
- 45才〜49才:35%が賃金アップ、35%が賃金ダウン、30%が変化なしー<境目>
- 50才〜54才:29%が賃金アップ、33%が賃金ダウン、38%が変化なし
- 55才〜59才:22%が賃金アップ、38%が賃金ダウン、40%が変化なしー<役職定年>
- 60才〜64才:12%が賃金アップ、67%が賃金ダウン、21%が変化なしー<定年>
45才〜49才を境目に転職後の賃金もダウンしていくようですが、これは心身の充実度の変化(いわゆる老化)を加味すれば、一般的には納得できる状況なのではないかと思います。しかし、驚くべきは、50代の転職においても、20%〜30%が賃金アップで、約40%が賃金変化なしという事実。
50代になっても、在籍企業での不満を我慢して過ごすのではなく、「やりたい仕事」、「より充実した仕事・人生」を目指し、且つ、賃金アップや賃金維持を目指した転職が可能だということです。ただしこれには、「ベテランとしての知識と経験」を活かし、アピールするような転職活動が必要なようですね。
長引く転職活動期間
転職期間はどうなっているでしょうか。転職経験者向けアンケートによると、最多の転職活動期間は30代、40代で「3カ月程度」、50代では「6カ月程度」という結果で、ここからつぎのようなことがいえます。
- 30代、40代では家計費(家族や住居環境)の必要性から無収入期間を少なくしなければならないという事情から、早めに転職先を決める傾向にある
- 50代では、求職者の年齢が上がるにつれ、企業が求めるスキルや経験のレベルが上がり、年収も高くなるため、選考基準が厳しくなるから長期化しやすい(ある程度の失業給付も期待できる)
- 特に50代後半から60代では、すでに家計費負担も軽減し、収入の緊急性も少ない
まとめ
以上、最近の転職業界の動向をお伝えしました。そから見えてきたポイントは次の通りです。
- 45才が「賃金」や「転職活動期間」の明暗を分ける年齢である
- 40代後半以上であっても求人はあるが、「企業人としての仕事の経験やスキル」が求められる為、このような「経験やスキル」を棚卸しし、自分の価値として伝えられるようにすることが大切である
- 50代以上であっても、「やりたい仕事」、「より充実した仕事・人生」と賃金アップや賃金維持を目指した転職が可能である
あなたも是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。