私は、企業の採用担当者として多くの応募者の面接を採用しています。現在が、特に40代〜50代のセカンドキャリア採用が多いのですが、この世代の面接において目立つ「失言」があります。今日は、面接における「失言」についてお伝えします。
私がこれまでの面接で、「これはダメだな〜」と感じた「失言」は次のようなもので、やはり採用決済者に対する印象もよくありませんでした。
- 転職動機を「年収」「肩書」を答える
- 退職理由として現職批判を話す
- 志望動機に情熱を感じられない
転職の動機
面接でよく聞かれる質問に、「転職の動機は?」というものがありますが、あなただったらどのように答えるでしょうか?「もっと大きな仕事にチャレンジしたい」、「仕事をとおして社会に貢献したい」、「自分の得意な技術を活かしたい」などなど、色々と考えられます。
私は実際に面接官として多くの応募者と話をするのですが、その回答は様々。中でも、40代〜50代のキャリア採用で多く聞かれる「転職の動機」に対する回答として、次のような回答が多いのも事実です。
「はい、やはり年収と肩書を上げ、キャリアアップしたいと考えています」
転職の動機を尋ねられて、「年収」「肩書」と答える方は、特に40代〜50代のミドル世代で非常に多いと感じていますが、これがなぜ「失言」なのでしょうか?
もちろん、より多くの収入が欲しい、より大きな権限が欲しいと望むこと自体は悪いことでもおかしなことでもありません。しかし、私達はこの「年収」や「肩書」は、あくまでも結果であり、手段だと考えています。私や採用に関する決裁権限を持つ私の上司は、どのような成長意欲やセカンドキャリアプランがあり、どんな活躍ができそうなのかを聞きたいのです。
「年収」や「肩書」はその結果として企業が提供できるものなのかも知れませんが、少なくとも「年収希望が高い」、「高い肩書を求めている」からと言って採用したいとは思わず、逆にそこにこだわりが強い応募者に対しては敬遠しがちになるのです。
退職理由
つづいいて、面接時のメジャーな質問が「退職理由」です。あなたはどのように答えるでしょうか?
この質問に対して、40代〜50代の転職希望者に多く見られる回答は、「現職企業の経営者や上司のやり方が間違っている(自分の考えと合わない、違和感があるなど)」といった、在籍企業への批判や不満が多く見受けられます。
もちろん、それなりの立場で長きに渡り働いてきたが故に、自社の内情が見えたり、経営者の評価制度や経営者に対する不満、会社の方針に対する不信感など、様々な思いがあることはじ事実だと思います。
- ただ、この「現職企業がおかしい」「自分の考えと合わない」「違和感がある」といった退職理由の場合、わたしたち面接官は、次のように感じてしまうのです。
- 応募者の言っていることだけが正しいわけではない。間違っているのはあなたのほうかもしれない
- 主張している困難な状況はわかるが、そのことについて社長や経営陣、上司に相談や提案し、解決しようと努力したとのか
- 結局こ応募者は、うちに来ても同じことを言いだすのではないだろうか
ですので、在籍企業や上司、社長などに対する不満や批判を展開するのは得策とは言えません。
志望の動機
次に志望度の動機ですが、私が面接官として質問すると、漠然と「大丈夫です」「興味あります」と答える人が非常に多いです。面接官側は、「具体的に」、「なぜこの会社、この仕事をしたいのか」、「自分のキャリアがどのように活かせるのか」といった点を聞きたいのです。
しかし、「興味がある」、「頑張れる」といった総論的にしか答えない(答えられない)となると、私たちは「当社にさほどの興味はないのだろうな」「深く掘り下げて理解する力に疑問があるな」と思ってしまいます。
また、「興味なさそう=我が社にコミットしてもらうことを期待しにくい」「深く掘り下げない=業務理解力や職務遂行力に不安を感じる」という判断となってしまうのです。いずれにしても40代ミドルの即戦力採用で、このような回答しかできな人を採用することはまずありませんので、面接官が何を期待しているのかを汲み取り、具体的に回答することをお勧めします。
まとめ
「転職動機」「退職理由」「志望の動機」について、面接の際に「失言」となってしまう言葉や回答についてお伝えしました。そのポイントは次の通りです。
- 転職動機:第一に希望の年収や役職(肩書)を答える
- 退職理由:現在勤務している仕事や上司、社長の批判を繰り広げる
- 志望の動機:漠然と「大丈夫です」「興味あります」と答える
このように答えてしまうことについては、決してご本人には悪気や悪意はないものばかりですが、案外気づかずにせっかくの面接を台無しにしてしまうことがあるのです。面接の際には、しっかりと事前準備し、面接ではおちついて、自分を客観視しながら話せるとよいのではないでしょうか。
このような面接に向けた戦略立案や、40代〜50代の転職に関する相談を受け付けていますので、次のリンク先からお問い合わせください。
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