40代以降は女性も正社員転職できるのか?。現役採用担当者が教える失敗しない転職術

<2017年11月12日 更新>

少子高齢化、人手不足が深刻と問題となっていますが、それを裏付けるかのように、厚生労働省が発表した10月の有効求人倍率は1.4倍となり、変わらず高い倍率となっています。転職市場はまさに「売り手市場」で、中高年も引く手あまたのように言われていますが、さて実態はどうなんでしょうか?

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私は現役の採用担当者として日々採用面接を行っていますが、多くの応募者の方々の話を聞くと、どうも「有効求人倍率1.4倍」というような楽観的な状況ではないとのこと。特に、40代以降の女性も含めた中高年世代にとっては、今まで以上に厳しい転職市場のようなのですが、そうなると次のような疑問が湧いて来ます。

  • 人手不足と言われているのに、なぜ40代以降の転職が進まないのだろう?
  • 40代以降の転職では「有期雇用契約」が多く、なぜ正社員契約してくれないのだろう?

このような疑問を解明するために色々と調べてみると、「採用側」、「転職エージェント」、「応募者」各々に様々な課題があることが浮かび上がって来ました。そして、これらの課題を認識し「ある対策」をすることで、40代以降の女性も含めた中高年世代も理想的な転職ができることが明らかになりました。

ある三人の転職物語

約40年前の春、3人の若者が同じ大学を卒業し、ある大手企業に入社しました。この3人は、共に研究所に配属され、各々、半導体分野、原子力分野、通信分野の研究や商品開発に従事しました。

この3人には、共に仕事熱心且つ業務成績も良好で、共に人柄もよく、共に将来の夢と希望に満ち溢れているという共通点がありました。

そんな3人が40年振りに大学の同窓会に出席しました。40年経っても3人には共通することがありました。共に幸せな結婚をし、共に2人の子供に恵まれ、そして就職先した企業の研究所の所長となって、企業の業績や科学技術の発展に大きく貢献しました。

そして充実したビジネスマン人生を全うし、60歳で定年退職したのです。

ところが3人には違うところが一つだけありました。60歳定年後の生き方において、次のような三者三様の人生を送っていたのです。

  • 一人は再雇用制度を利用して同じ会社に残ったもの、間接部門に回された上に収入は3割に落ち込み、ストレスを抱える生活
  • 一人はリタイヤして趣味や社会貢献を夢見ていましたが、会社以外の社会との関係を構築できず、寂しい日々
  • そしてもう一人は、これまで蓄積したスキル(知識や業務経験)を生かせ、社会に役立つ企業に転職し、満足な収入を得て楽しく仕事をしている

「再雇用」、「リタイヤ」、「転職」と言った各々異なる道を歩んだ三人ですが、その人生は大きく違ったものとなったのです。

定年後の3人の人生を変えたもの

この3人の後半の人生に違いをもたらしたものは何なのでしょうか?。
持って生まれた知性や才能、努力の違いではありません。
定年後の人生への情熱や想いが違ったわけでもありません。

3人の人生を変えたもの、

それは、『持っている知識とその活かし方』にあったのです。

専門知識や経験は力なり

冒頭の3人のシニアは、入社以降、研究開発業務に専念し、会社や社会に大きな貢献をしてきました。そして3人は共に、60歳の定年まで、充実したビジネスマン人生を歩んできたのです。しかし、後半の人生を変えたもの、それは、

  • あなたがこれまで積み重ねてきたスキル(専門知識や様々な経験)を再認識
  • あなたのスキルから「自分自身というビジネスモデル:価値」を創出
  • あなたの価値を生かした働き方、生き方を見つけられたかどうか

に他なりません。

このストーリーを読んでどのようにお感じになったでしょうか?

このストーリーこそが、あなたのような転職・再就職を目指している中高年の方々に、「自分自身のビジネスモデル構築」をご提案する理由なのです。

人生のステージに応じた仕事選び

前述のストーリーは、「60歳という定年を機とした後半の人生の歩み方」ですが、人それぞれ、企業環境によってもタイミングは異なるのではないかと思います。

<55歳というステージ>
企業によっては「役職定年」という制度や「セカンドキャリア支援」などにより、そろそろ60歳を見据えてセカンドキャリアを意識する頃。

<59歳というステージ>
60歳定年を翌年に控え、来年からの生き方の選択を具体的に迫られる頃

<62歳というステージ>
定年後、新しいキャリアを歩み始めたものの、物足りなさやストレスを感じる頃

そんなあなたの転職・再就職を成功に導くために最も大切なことは、あなたの貴重なスキル(専門知識、職務経歴など)から「価値=自分自身のビジネスモデル」を創り出し、「自分自身のビジネスモデル」を生かした働き方をすることなのです。

転職活動において注目すべきポイント

転職・再就職のサポートというと、ついつい「履歴書の書き方」、「面接のノウハウ」といった小手先の手法に意識が向きがちですが、履歴書の内容や面接のテクニックより以前に整理しておくべき大切なことがあります。

それは、「あなた自身がどんなビジネスモデルなのかと」、と言う事を定義しておくことなのです。「あなた自身のビジネスモデルを定義」すると、あなたが転職・再就職を希望する企業の採用担当者に、「あなたがどんな人物」で、「どんなビジネススキル」もっていて、「どんな貢献ができる」のかを明確に伝えられるようになります。

採用担当者に、「私はあなたの要求を十分に満たす為に、豊富なビジネス経験や専門知識、および仕事を円滑に進めていくためのビジネススキル、パーソナルスキルを持っています」ということを証明する事にもなるのです。

「自分自身のビジネスモデル」さえキチンと定義できていれば、履歴書作成や面接など恐れる必要ないのです。

現役採用担当者として感じる課題

なぜこのように言い切れるかと言いますと、私は、40歳以降3回の転職(異なる業種、職種)を成功させ、現在はある企業の採用担当者として働いています。

現在は採用側の立場で、年間500以上の履歴書・経歴書の書類選考を行い、そして200人以上の中高年求職者と面接を行っています。すなわち、「求職者」という立場で3回の転職を経験し、「採用者」という立場で書類審査・面接を行うという、両方の立場を経験しているからなのです。

現在私が勤める会社の主な事業は、特許調査というものであり、この仕事の特徴は、調査の対象となる特許の技術分野に関する豊富な専門知識や研究・開発経験をもった人材でなければこの業務に従事できないという点です。

従って、「豊富な専門知識や研究・開発経験を持つ」という条件から人材を確保しようとすると、おのずと募集対象は中高年のベテラン人材となります。ですから私は、日々、中高年の求職者の方々からの履歴書・経歴書を確認し、週に数名の方の採用面接を行っています。

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(ちなみに現在私が勤めている会社の社員の平均年齢は57歳、定年は69歳で場合によっては70歳以上でも勤務可能という、あまり世の中の他社にみられないユニークな会社です)

応募者の抱える課題

年間200名上の方と面接をしていますので、様々な経歴をお持ちの方とお話させて頂いています。しかしながら、多くの方がご自分のポテンシャルや情熱を表現いただけず(こちらに伝わってこない)、残念ながら「不合格」になってしまいます。それは次のような理由によるのです。

  • 豊富な経験を持ちながらも、経歴書や会話(面接時のコミュニケーション)での表現不足
  • 面接官が「何を知りたいのか」を察する能力や視点不足
  • 応募する仕事への熱い想いやチャレンジマインドの表現不足

などなどですが、これは「豊富な経験」や「ベテランサラリーマン」である中高年だからこそ出てしまう、マイナス面なのかも知れません。長年の人生経験、仕事経験は、とても貴重な財産でではあるのですが、一方では、「既成概念」、「思い込み」、「古いスタイル」といったマイナス面として出てしまう事もあるのです。

「俺はこの分野では専門家だ」、「俺には俺のやり方がある」、「今さら人に合わせられない」などといった思考やスタイルは、面接官に伝わるだけでなく仮にうまくとりつくろって入社したとしても、日々の仕事の中での課題として現れ、早々に退職するという事態にもなりかねません。

応募者側にとっても採用側にとっても、とても不幸な結果だと思います。

豊富な経験や専門性があなたの貴重な財産なのですが、長期間に渡って積重ねられてきたライフスタイルや思考(プライドや思い込み)が、せっかくの経験値の良さを邪魔してしまう場合があるのです。

ですから、あなたの「貴重な経験・専門知識」に(それだけでなく)、ライフスタイルや思考も交えて、「これからを生きていく為の価値ある自分自身のビジネスモデル」を創り出す必要があるのです。

手っ取り早く、「履歴書の書き方」や「面接対策」を学んで新たな企業へ入社できたとしても、化けの皮はすぐに剥げてしまいます。あなたにとって転職・再就職は、面接に合格して「入社」することが目的なのではなく、入社後に自分の強みを生かして働き、充実した人生をおくる事なのではないでしょうか?

さらに言うと、社会や産業会への恩返し、貢献と言った意味もあるのかも知れません。

転職サイト(人材エージェント)の課題

また人材サービス業界の多くの企業は、あなたを商品と捉え、とにかく「合格して入社」させる事に躍起になっています。それもそのはず、あなたを入社させれば、成功報酬としてあなたの年収の1/3の金額が支払われるのですから。

彼らは彼らでビジネスしているわけですから、仕方ないですよね。

こんな、人材サービスビジネスが花盛りの時代。少子高齢化の時代ですから、あなたのような中高年の転職市場は拡大し、新たな人材サービス企業も続々と生まれています。

しかし、応募者や募集企業のニーズなど理解することなく、単純にコンピュータがレジュメ(履歴書や経歴書情報)の内容で判断して応募者や企業を紹介してくケースが多く、応募者と企業双方にとっても不幸な結果になることが多いのです。

ですから、あなたは、そんな人材サービス企業の「肥し」になっていけません。そんな人材サービス企業の「肥し」にならない為にも、まずはあなたが主体的に「自分自身のビジネスモデル」を創り出し、自分の目で応募先企業を選択し、マッチング度合いを評価することが重要なのです。

あなたの目的は、履歴書の書類審査、面接を通過して入社し、そして新たな職場で末永く働き、充実した人生(幸せ、貢献など)をおくることで、あなた自身の使命を果たすことなのです。

現役採用担当者が教える転職の極意

あわてて履歴書を書いたり面接の練習をするのではなく、人材サービス業界の現状や、採用側の視点(求める人材像)、中高年の転職・再就職で注意すべき点などを知りましょう。

このブログでは、様々な情報を収集し、整理して、あなたに分かり易くお伝えします。そして、現役の中高年採用担当者であるからこそお伝えできる「採用側の視点」や「求める人材像」なども合わせてお伝えします。

世の中の転職コンサルタントでは知り得ない、私しか知らない現実の状況をお伝えしていきます。

自分自身のビジネスモデル構築する6ステップ

あなたの転職・再就職を成功に導くために最も大切なこと、それが「あなた自身のビジネスモデル」を構築するという事なのです。私達採用側担当者は、そんな「自分自身のビジネスモデル」をもった応募者を待っているのです。

<あなたのビジネスモデルを構築する6つのステップ>

あなた自身のビジネスモデルを構築するステップを、6つに分けてお伝えします。

【ステップ1】現在の自分を知り勇気を持つ ⇒過去の経験を「トラウマ」として位置付けるのではなく、価値ある資産とするためには、経験への意味付けを変えなくてはなりません。  「嫌われる勇気(アドラー心理学)」のストーリーで自分の現在の姿を知り、一歩を踏み出す「勇気」を獲得します

【ステップ2】資産(経験や知識)を棚卸してみる ⇒これまでの様々な体験(成功、失敗、喜び、苦しみ、悲しみ等)や、特技、知識、好きなこと、嫌いな事など列挙し、振り返ります

【ステップ3】改めて自分の強みを知る ⇒上記のステップ2の取り組みとは別に、あなたの内面的な強みを知ります。 「ストレングスファインダー」という手法により、自分自身の5つの強みを発見しますまた、中高年の転職の際の、「強み」にも「弱み」にもなりえるパーソナルスキルやビジネスマインドについて学びます。

【ステップ4】資産(経験や知識)の意味づけを変えてみる ⇒ステップ2であなたの資産を棚卸しましたが、少し違う視点で見たり、ステップ3で発見した「強み」というスパイスと癒合することで、「価値」へと変わり始めます。

【ステップ5】目標設定や達成の方法とは ⇒自分にとって大事なものとは?、どうなりたいか? この問いかけにより再び輝く「目的」を探求し、そして目的を達成するための方法を学びます。

【ステップ6】出現する未来と出会い、自分自身のビジネスモデルを描いてみる⇒ステップ1~ステップ5の探求により、あなたがこれから進むべき道が明らかになり始めます。 過去の経験を、これからあなたが生きていくための「礎」として準備ができると、これからあなたが進むべき未来が出現します。 その「出現する未来」を感じ取り、あなた自身のビジネスモデルを創りだします。

まとめ

ここまで、三人の転職物語を通して、あなたが理想的な人生を送るための転職の極意についてお伝えしてきました。そんポイントは次の通りです。

  • あなたがこれまで蓄積してきたスキル(専門知識や経験)は大きな力になります
  • 現役採用担当者として日々活動す中で、応募者や人材エージェントには明らかな課題があります(自分の良さを伝えきれない応募者、転職者を食い物にする人材エージェント)
  • あなたのスキルを活用して「自分自身のビジネスモデル」を構築することが、転職成功の極意である
  • 「自分自身のビジネスモデル」を構築す為の6つのステップを実践することが大切

あなたも自分自身のビジネスモデルを構築し、理想の仕事を手に入れましょう。

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